温泉 鳥取

2009年7月25日 (土)

岩井温泉・岩井屋(再訪)

【2009年7月】

日曜日、温泉好きの知人とふらりクルマで出かけた。行き先を決めずのドライブで、たどり着いたのが鳥取県の東の端、岩井温泉。共同湯の湯かむり館隣接の駐車場が満車のため、となりの岩井屋で入浴することにした。

岩井屋は3回目の訪問。純和風のこぢんまりとした館だが、手が行き届いていて感じよい。香を焚き詰めた館内を奥に進むとお風呂がある。

Iwaiya1Iwaiya2幸い他のお客様は誰もいない。湯船には湧いたばかりの源泉が掛け流されている。

「やさしい湯だねえ。」と友人。

彼は昭和50年頃から全国津々浦々の温泉を巡っていて、温泉のキャリアは私などより数段上。しかし、岩井温泉ははじめてとのこと。その彼の第一印象が先の言葉。

ほんとうに岩井温泉の湯はやさしい。特に岩井屋の源泉にはまろやかさを感じる。

誰も入ってこないので1時間以上も長湯してしまった。本当にくつろげました。感謝。

※岩井屋の過去記事はコチラ

2008年11月26日 (水)

鳥取温泉 観水庭こぜにや

【2008年10月】

鳥取市は、温泉地としてのイメージは薄いが、実は中国地方屈指の湧出量を誇る温泉地。だから市内のシティホテル、ビジネスホテルも温泉大浴場を持っているところが多い。

鳥取駅周辺には、観水庭こぜにや、温泉旅館丸茂、ホテルモナーク鳥取、ホープスターとっとり等の旅館、ホテルがたくさんある。

その中でも、源泉掛け流しで知られる老舗旅館の観水庭こぜにやを訪れた。

建物は和風モダンな造り。駐車場にクルマを停めると、ドアマンが近づいてくる。

「いらっしゃいませ。」
「日帰り入浴だけさせて貰えますか?」
ドアマンはにっこり笑い
「もちろん結構です。ご案内します。どうぞ。」

作務衣を着た怪しい人物でも気持ちよく応対してくれる。フロントに案内され、入浴料1,050円を支払い、そのまま湯殿まで案内してくれる。

PhotoPhoto_2湯殿は独立した建物。法隆寺の夢殿のような八角形をしていて、それぞれの辺にあたる部分が、露天風呂、岩風呂、檜風呂、家族風呂など異なる趣向の風呂となっている。なかなか工夫された造り。

湯番と思われるご年配の女性が、丁寧にひととおりお風呂の説明をしてくださった。
「ごゆっくりなさってくださいね。」
とても感じがよい。

Photo_6Photo_3湯温は40℃強だろうか。資料によると源泉は56℃と適温なので、非加水、非加熱の源泉掛け流しが可能なのだろう。ただし、夏は加水するとのこと。

泉質はナトリウム・塩化物硫酸塩泉。ほぼ透明の湯だが、僅かに茶色の浮遊物がある。アロマは特に感じない。

湯に浸かっていると、市街地のど真ん中で入浴していることを忘れてしまう静かさ。清潔感のある施設に気持ちよい従業員さんの応対、都市型の温泉施設のお手本になれる旅館だと思う。

*** *** *** *** ***

観水亭こぜにや

鳥取市永楽温泉町651

電話0857-23-3311

オフィシャルサイト

地図(ここをクリック)

2007年7月27日 (金)

吉岡温泉・上湯(吉岡温泉館)

梅雨も明け、ずいぶん暑くなって参りました。

今回は、PCにある写真の中から、涼しそうなものを選ぶことにしました。

*** *** *** *** ***

【2005年2月】

日本三大仇討ちのひとつ、伊賀越えの仇討ちで有名な渡辺数馬を偲んで鳥取市内にある興禅寺にお参りした。今夜の泊まりは三朝温泉。

雪の降りしきる中、地図を眺めていると、湖山池の南岸にある吉岡温泉に目がとまった。

「そういえば、吉岡温泉は未だ行ってないなあ。」

今、参拝した興禅寺は、鳥取藩主池田家の菩提寺である。そして吉岡温泉は池田の殿様が湯治場として通っていた湯。ここで目にとまったのも何かの縁ではないか。

「雪が積もるリスクを冒して吉岡温泉に行くか、それとも無難に三朝温泉に直行するか・・・。」

カーラジオの天気予報は、鳥取全県下に大雪注意報発令と言ってる。が、結局、ハンドルを持つ手は自然に吉岡温泉へと向かっていた。
だいたい、入ったことのない温泉をやり過ごすと、後でとっても後悔するのが私のパターン。
4WD+四輪スタッドレスを信じることにする。

興禅寺から吉岡温泉までは約15km。鳥取市内を横断するのと、降雪のためかクルマの流れが悪く、約40分で到着。

湖山池から山あいに進むと、三方を山に囲まれるように吉岡温泉街がある。入口には、「ホタルの里 吉岡温泉」と書かれたアーチ。そこから狭い道を挟むように、古い家並みが温泉街を形成している。とっても鄙びた温泉場。

降雪はだんだんとひどくなる。猫の子一匹歩いてはいない。温泉街を散策、とかいう気分にはとてもなれない。共同浴場は上湯、下湯とふたつあるが、目の前に駐車場がある上湯に入ることにした。上湯の別名は吉岡温泉館。

Yoshiokaonsenkan外観はそれなりに立派な建物。入口を入ると受付がある。

「こんにちは」(^o^)

「・・・・。」

「タオル持ってきてないんですが、ありますか?」

「ないよ。」

なんとも愛想のないおばさん。
ここに限らず鄙びた温泉場の番台は、なぜか愛想の悪い人が多い。しかし、入湯税だけで150円という所が多いご時世に200円程度で温泉に入れるのだから、十分なサービスを求めるのも厚かましいと思い、どこでも私は気にしないことにしている。

雪の中、再び外に出て3軒隣の雑貨屋(これも今では珍しい!)でタオルを買い、改めて200円を払い中に入れてもらう。

脱衣場や浴場は、建物の外観以上に鄙びている。浴室はグレーと茶色が基調のタイル張り。ところどころ剥がれている。浴槽もタイル。底だけが青いタイルなので湯の色は一見わかりにくいが、透明な湯。

「あちっ」(≧▽≦;)

湯温はかなり熱くて45℃くらい。タオルを買いに行ったりで、かなり体が冷えていたこともあり、足をつけたら飛び上がった。
たっぷりかけ湯をして慣らしながら、改めてゆっくりと足を入れる。足先がジンジン痺れたような感じだが、今度は浸かることができた。

泉質はアルカリ単純泉。スベスベ感はあるが、そんなに強くはない。有福温泉くらいな感じなので、phは8~9の間くらいか。
浴槽の中央付近から源泉そのままの熱い湯が噴き出していて、かけ流されている。湯の鮮度は十分。微かな鉱物臭もあった。

天気が悪いにもかかわらず、地元のおじいさんらしき人達が入れ替わり入ってくる。常時3~4人いる状態。

「どちらから?」

「広島です。」

「ほぉ、そりゃ遠くからわざわざ・・・」

「池田の殿様の湯治場だったと聞いて、一度入ってみたかったんです。」

「よう知ってらっしゃる。ここは、昔から静かな温泉じゃった。湯もええよ。水脈が浅いところを通っているのでちょっと掘れば湯が湧くんじゃ。」

「いい湯ですよねえ。ここのように昔から適温の湯が湧いている温泉場は、なかなか少ないんですよ。」

鳥取は、たくさんの温泉があるが、浅い水脈で昔から自噴しているような温泉が多い。白山火山帯がちょうど良い加減で通っているのだろう。この火山帯がもう少し南を通ってくれていれば、広島県も温泉が湧いていただろうに・・・。

Uomidai温泉を出て、山越えを避け、国道9号線を三朝方面に向かう途中、泊(とまり)という町がある。

ここに潮風の丘という小高い丘がある。真冬の季節風が吹きすさむ中、潮風(^^;)もないもんだが、何となく上ってみた。

水墨画のようなモノトーンの冬の海。遠浅の浜に白波が一定のリズムで打ち寄せる。しばらく眺めていると、とてももの悲しくなる。

三朝温泉の暖かい湯が急に恋しくなってきて、クルマを走らせた。

2007年5月26日 (土)

混浴エピソード 東郷・谷水旅館 3

*** 前回より続く ***

男は思わず視線を女性に向けた。目が合う。
(ビンゴ!)男は思った。このリアクションは「脱いでもいいよ。」に等しい。強いて言えば、あとは「あなたのせいよ」という言い訳を用意してあげればよい。

「そうしなよ。その方が気持ちいいよ。向こう向いてるから。」
男は湯船の縁の方を向いた。

「・・・・・。」

刹那、背後で女性が浴衣を脱ぐ気配を感じた。こういう時は、女性から声がかかるまで振り向かないのがマナーだろうが、男は、残念ながらそこまで紳士ではなかった。そっと振り向く。

「・・・!」

思わず声が出そうになったのを飲み込んだ。女性は後ろ向きで浴衣を脱いだところだった。適度にくびれた美しいシルエットに形の良いヒップ。そして背中には・・・色鮮やかな竜の絵が描かれていた。
最近多いボディアートとか、東南アジアの女性がやっている魔よけのようなワンポイントではない。背中一面を覆うジャパニーズ・トラディショナル・刺青である。

男はそおっと縁石の方に向き直った。のぼせるほど浸かっているのに冷や汗が出る。狼狽気味の頭の中を必死で整理した。

彼女の刺青は、やんちゃのレベルを超えている。
きっとソノ筋のオンナだろう。姐さんという雰囲気ではないので情婦か?
それならそれで、もっとそれとわかるような仕草をしてくれよ。
わかってりゃ口が裂けたって「脱いだら?」なんて言わないし。
そうだ、彼女は、俺が見たことに気づいているんだろうか?
彼女はなんで脱ぐと言い出したんだ?刺青のリスクを冒してまで。
もしかしてからかわれたのは俺の方か?そうだとすれば、この後どう振る舞うべきか・・・。
そんなことが頭の中を駆け回る。

「こっち向いてもええよ。」

彼女の声に心臓があばら骨を蹴り上げた。こうなれば成り行きに任せるしかない。彼の仕事はネゴシエーターだ。ポーカーフェイスにはそれなりに自信はある。
男は、平静を装って振り向く。彼女は浴衣を脱いで、向かい合うように湯船に首まで浸かっていた。

「どう?やっぱり気持ちいい?」
「うん、最高や。やっぱ温泉は何もなしで入るんがええ。」
「恥ずかしくないだろ?」
「・・・連れが紳士やからな。」 と言って、いたずらっぽく笑った。
微妙なリアクションだ。背中を見られたことに気づいているのかどうかわからない。

その後しばらくは、たわいのない会話に終始した。
男は風呂から上がるタイミングを伺っていた。ここにいてもこれ以上楽しいことが起きることはない。あるのはリスクばかり。
何しろ男と女が裸でいるわけだ。彼女に悪意があれば、いくらでも因縁を付けられる。

しかし、ふたりきりというのは、上がるタイミングが意外に難しい。
飲み屋で、ママさんとふたりだと、なかなか切り上げるタイミングが難しいのと同じだ。そういう時は次の客が入ってきた時が絶好のチャンスなんだが。

彼女と5分も話をした頃、建物から浴衣がけの初老の男性がひとり近づいてきた。
(ラッキー!) 男は心の中で叫んだ。彼と入れ違いに、「じゃあお先に。」とさりげなく上がることができる。
会話もさりげなく終わる方向に相づちを打ちながら男は上がる準備を進める。初老の男性がゆっくりと湯船に近づいてきた。
男がまさに「じゃあ」と言おうとした瞬間、初老の男性が先に言葉を発した。

「おまえ、なんちゅう格好しとるんじゃ。」

「あ、パパぁ。」

男は、のぼせるほど浸かっていたにもかかわらず、血の気が引いていくのを感じた。
パパなる人物は、決して血縁上の父ではなさそうだ。ドスの効いた言葉と眼力(めぢから)がただ者ではない。
彼女が「連れは大浴場が好きでない」と言っていたことを思い出した。今では悲しいほど理解できる。

きっと、パパは、彼女がなかなか戻ってこないので様子見に来たに違いない。そこで彼は刺青も隠さず男とふたりで入浴しているのを見つけた。彼女のそばには、濡れた浴衣が置いてある。今脱ぎましたと言わないばかりに・・・。
この状況を、パパが好意的に受け取ってくれる確率は、おそらくロト6で6億円が当たる確率より低い。

「・・・・・・・。」

パパなる人物は、彼女が他の男の前で肌をあらわにしたことが明らかに不満のようだ。何も言わずジロっと男を睨んだ。男は全身の血が一瞬凍り付いた。
その後パパは彼女を睨む。 彼女は、パパを見上げると、やや甘え口調で言った。

「だってこの方が気持ちええんやもん。」

とりあえず、男のせいにしなかった彼女に内心感謝した。
パパは彼女と話し始めた。
最大の危機は脱した。しかし、いずれにしても長居は無用だ。この後、話の成り行きで彼女が彼のせいにしない保証はない。
男は、夕食で食ったマツバガニの如く、さりげなく横ばいしながら徐々に距離をとる。対岸までの5mがやけに遠い。

彼女がパパに「赤のアウディ買ってよ。」などと、のたまっている隙に、男はようやく湯船から出ることに成功した。体もろくに拭かず浴衣をはおり、逃げるように部屋に帰る。
部屋の鍵をかけると、安心感と疲れがどっと吹き出し、男はすぐに眠りについた。

翌朝は朝食だけチェックを済ませると、7時半には出発することにした。
早く家に帰って、半日だけでも代休を楽しもうと男は駐車場に向かう。

昨夜のことを振り返る。露天風呂で彼女をからかおうと思って、結局、からかわれたのは俺の方だった。まさか、あんな普通の娘が刺青背負ってるなんて反則だ。それにしても、会話でも全くソッチ系の気配は感じなかったなあ。これもご時世か。まあ、無事で済めば、旅先では多少のハプニングがあった方が楽しいもんだ。

男は駐車場から車を出した。
早朝で誰もいない中、隣に駐車してある神戸ナンバーのベンツ600SELだけが男を見送ってくれた。

(完)

混浴エピソード 東郷・谷水旅館2へ

混浴エピソード 東郷・谷水旅館1へ

2007年5月 4日 (金)

混浴エピソード 東郷・谷水旅館 2

*** 前回より続く ***

女性は2mほど離れた斜向かいの位置に浸かった。満月に照らされて外灯がなくても互いの顔がはっきり見える。
「旅行で来はったんですか。」
「いえ。残念ながら、仕事ですよ。」
「おひとりで?」
「そうです。」
「お仕事で、ひとりで温泉に泊まるって珍しいですね。」
「そうかもしれませんね。」
「・・・もしかして小説家とか?」
「そんなに知的に見えます?」
「そうでもないか・・・。」
「・・・フォローになってないですよ。」

結構人なつこいというか、屈託なく話しかけてくる。まったりタイムどころではない。こうなれば女性と混浴という状況を最大限楽しもう。男は、少し悪戯することにした。

「最近、温泉はどこか行った?」
「有馬温泉はよく行くけど。陶泉御所坊とか。」
「おお、いい宿にお泊まりですね。有馬はお湯もいいし。」
「でも、ここみたいな鄙びた宿も気兼ねがなくて好き。・・・お気に入りの温泉ってあります?」
「うーん。いくつかあるけど。純粋に一番感動したのは平内海中温泉かな?」
「それ、どこ?」
「屋久島。波打ち際の岩の間から硫黄泉が湧いていて、潮が引くと湯船ができるという・・・」
「それ、テレビで見たことある。すっごく良さそうですよね。」
「最高だよ。目の前は太平洋。回りは何もない大自然。大きな波が寄せてきて岩礁にぶつかりながらだんだん小さくなって最後にちょろっと湯船に入ってくる。一定のリズムで繰り返すんだ。」
「行ってみたーい。」
「そこは、自然のままだから、湯船も混浴。脱衣場もなくて、男も女もみんな岩の陰で適当に脱いで入るんだ。」
「えーメチャ恥ずかしいやん。」
「それが不思議なほど恥ずかしくないんだ。俺が行ったときも男女が5~6人はいたけどみんなタオル1枚で入ってたよ。たぶん、自然に囲まれたあの雰囲気がそうするんだと思う。それと、みんな裸だったら恥ずかしくないんだ。」
「なんか信じられへん。」
「ホントだよ。その時、パジェロに乗った男女4人グループが来て、水着のまま入ってきたんだ。水着での入浴は禁止なんだけどね。その時、自分が裸の時に、裸でない奴がいたら恥ずかしくなるってわかったんだ。みんなもそうみたいで、特に女の子はみんな上がってしまったんだ。」
「それってあるかも。」
「今だって恥ずかしくないと言ったら嘘になるかな。」

男はさらっと言っていたずらっぽい視線を送った。女性は見つめ返してにこっと微笑んだ。

「・・・そう来たか。そのために平内海中温泉の話したんや。」
「成り行きだよ。あなたの質問に答えただけ。」

女性は立ち上がって湯船の縁に腰掛けた。浴衣を着ているとはいえ、濡れていては体のラインは隠さない。男は視線を横にそらし、やがて星空を見上げた。湯船から出た女性から視線をそらすのは混浴マナーの基本である。

「この前、湯原温泉の八景ってホテルに泊まったんや。目の前に有名な河原の露天風呂があった。」女性が話し始めた。
「西の横綱って呼ばれている砂湯だね。」男は視線をはずしたまま相槌を入れる。
「そう。夜遅く、若い女の子が2人、フェイスタオルだけで入ってた。他に誰もいなかったし。」
「あそこは八景から丸見えでしょ?勇気あるなあ。」
「そうとも思ったけど、気持ちよさそうだった。あなたは男性やからわからへんと思うけど、バスタオル巻いてると、メチャ重い、ずれる、張り付くで、決して気持ちようはないんやで。」
「へえ、そんなもんか。でも、わかるような気がする。」
「そん時もうちはよう入らへんかった。でもホントはなんもなしで入るんが一番気持ちええんや。」

女性はそう言うと立ち上がって湯船の中を歩き出した。男は星空を見上げたままだが、その気配は感じていた。

「・・・脱いじゃおうかな。」ぽつりと女性が呟いた。

*** 次回に続く ***

混浴エピソード 東郷・谷水旅館3へ

混浴エピソード 東郷・谷水旅館1へ

【お詫び】

先月中旬、義母が倒れて妻は実家へ。普段、靴下の収納場所も知らない亭主はパニック状態で、ついついブログの更新間隔が開いてしまいました。

メールで様子伺い頂きました皆様、ありがとうございました。

普段ご来訪いただいている皆様、ご心配をかけ申し訳ございませんでした。

2007年4月12日 (木)

混浴エピソード 東郷・谷水旅館 1

【2000年7月】

私の同僚の話ですが、面白かったので、パソコンにメモを残してたものを紹介します。今はなくなってしまった東郷温泉・谷水旅館でのエピソードです。

*****  *****  *****  *****

「ふう。気持ちいい・・・。でも俺はなんでこんなところで露天風呂に入ってるんだろ。」 男は溜息をついた。

今日も慌ただしい一日だった。丹後半島、城崎温泉、香住、湯村温泉と打ち合わせで廻り、本来なら深夜に自宅に帰る予定だった。すべては、夕方、一緒にツアーの企画をしている同僚の電話から始まった。

「例の連泊プラン、さっき東郷の谷水旅館はどうかなと話が入った。ハードは古いと思うけど、今度の企画に使えるレベルかどうか足を伸ばして見て来てくれない?急で悪いんだが。」
「おいおい、今日中に帰れないじゃないか。俺、明日は久しぶりの代休だぞ。」
「週明けのプレゼン、今の候補だとイマイチだろ?代替案を実際見てるのとそうでないのでは説得力が違うんだよな・・・。頼むよ。」
「しかたないな。今から東郷だと到着は夜9時頃になるぞ。」
「大丈夫。実は既に予約してある。食事も企画で使う予定のものと、代替メニューを数品用意させている。交渉経過はメールするから、味見して結論出してくれ。」
「・・・おまえ、俺が断るって事は考えてなかったのか?」
「長年のつきあいで、仕事の禍根を残して休むような人じゃないと信じてたよ。じゃあよろしく。」

仕事柄、旅館で風呂に入るのはいつも深夜になる。食事を兼ねた打ち合わせが終わったのは夜11時15分。ここは、夜12時に庭園露天風呂が閉まるので、まずはそこに向う。
回廊型の旅館なので建物に囲まれた真ん中に庭園があり、その中にあるひょうたん型の湯船には、大きな番傘が湯船の中に3つもあるのが特徴。建物のどこから来ても便利なように周囲に3カ所の脱衣場がある。平日は宿泊客も少ない。まして深夜ともなると、大概は大きな湯船を独占できる。彼にとっては、仕事で回る温泉地で広い湯船にひとりで浸かる事が、ストレス解消法のひとつだった。

ひょうたん型の湯船の右側に入る。ここは源泉約90℃の高温泉である。成分は含石膏食塩泉だが、無味無臭。濃度は低いに違いない。あるいは、冷ますために相当加水しているのかもしれない。
「湯としてさほどの特徴はないな。ただ、床はつるつる滑るので注意が必要かな。・・・混浴だが、円形ではないので死角も多いし、女性には湯浴み用の袖なし浴衣を貸してくれるので抵抗感は少ないだろう・・・。」 仕事柄いろいろとチェックする。
ひととおりチェックし終わると湯船の縁石に頭を預けてのんびり浸かる。見上げれば満月に満天の星空。さそり座のアンタレスが赤く輝いている。疲れが湯の中に溶け出していくようだ。
「このまま時間が止まってくれたらなあ。」

人の気配に、男は、星を見上げていた視線を落とした。
脱衣場のひとつで、女性が浴衣を脱いでいた。後ろ向きで、背中を半分隠すほどの長い髪を慣れた手つきで括り上げ、湯船に足をつける。20歳代後半くらいだろうか。スレンダー系の美形である。さすがに湯浴み用の浴衣を着ているが、それにしてもこんな深夜に、若い女性が男性ひとりの湯船に入ってくるとは・・・。
しかも、大きなひょうたん型の湯船なので、当然左側の湯船に向かうのかと思っていたら、わざわざこちらの湯船に入ってきた。

「こんばんは。」 関西訛りのようだ。
「こんばんは。・・・おひとりですか。」
「連れが大きな風呂、あまり好きでないんです。私は露天風呂が大好きなんで・・・。」
「私も大の温泉好きなもんで、今、まったりとしてたんです。」
「お邪魔だったですか?」
正直、半分はお邪魔である。疲れている彼にとっては貴重なまったりタイムに違いない。しかし、40歳になったばかりの男は、若い女性と一緒に露天風呂で過ごす機会を拒否するほど枯れてもいなかった。
「そんなことはないですよ。」

*** 次回に続く ***

混浴エピソード 東郷・谷水旅館2へ

2007年3月 3日 (土)

関金温泉・関の湯

【2007年1月】

Photo_51 温清楼から20~30m坂道を上ったところ、道路の左側に小さな湯小屋がある。これが、関の湯。開湯104年目の株湯である。

株湯というのは、株を発行し、共同出資で運営する共同浴場。ここは、107人の株主で立ち上げたそうだ。株主には木札が配られ、入浴時に湯番に渡す。無料ではないが、安いそうだ。私のような一般客は200円を払って入浴する。

Photo_52 関の湯は、4回目の訪問。2年ぶりである。浴室に入ると前回来たときより雰囲気が違う。男湯と女湯の仕切り板が真新しい檜の板に新調されている。かつては剥き出しだった給湯管は板の中に埋め込まれ、板の中程から湯口が突き出ている。以前も檜の板だったが、檜の香が一段とかぐわしい。さすがに畳と○房と檜は新しい方が良い。(^^;

湯船は1.7m×2mくらいの松の板を使った小さな湯船。3~4人しか入れない。湯温は40℃くらい。ほどよい湯加減。 一緒に浸かっていたおじいさんに話しかける。

「仕切り板、綺麗になりましたね。」(⌒ー⌒)

「前のはだいぶくたびれとったけんの。平成18年4月にやりかえた。」

「改装は出資者でお金出し合われるんですか?」

「組合のお金で改装できた。しかし、湯船もいずれは、やらにゃいけん。湯船は松の板。これが今ではいい松が松食い虫にやられて少なくなってしまってこれも高くつくので大変じゃ。」

いくら非加熱、源泉掛け流しといっても、施設の維持は大変そうだ。

Photo_53 風呂から上がって、湯番に話しかける。こちらも、とっても気さくなおじいさん。

「さっき風呂で話しとったろ。あれがここの組合長さんだよ。」

「へえー どおりで・・・。いろいろ教えてくださったんですよ。」

「町会議長までした人じゃが、偉ぶらんええ人よ。他所から入りに来た人にもわざわざ関金温泉に来てくださったんだからと、親切になさる。」

「関の湯にも、遠くから来る方はあるんですか?」

「最近は多いよ。この前も、岡山から女性連れで7人来た。ここは狭いぞ言うたんじゃが、大丈夫言うて、入りなさった。中から楽しそうな声がしとるんじゃが、あの狭い湯船でどんなにしよるんじゃろうと考え出したら気になって・・・。体格のええ人も何人かおったしのう。40分くらいして『ありがとう。ええ湯じゃったよ。』言うて帰りなさったが、どうしよったかは、さずがによう聞けんかった。」(-^〇^-) ハハハ

「なんだか湯番も楽しそうですねえ・・・。 関金は知名度が今ひとつだと思っていましたが、やはり湯がいいので増えてきているんですかね?」

「三朝に負けんええ湯なんじゃが、湯量が少ないけん三朝ほどは栄えんかった。規模ではどうしても勝てん。」

「三朝でもほとんどが集中給湯で、湯の鮮度をウリにできるところは数件でしょう。ここの湯、大好きなんでまた山陰に来たら立ち寄らせていただきます。」

「おう。ここの源泉は、湯小屋のすぐ裏、26mの地下から汲み上げとる。何年経っても変わらんけんの。また寄ってや」(^ O ^)/~~

山陰の古湯、関金温泉。 湯に触れ人に触れ、からだもこころも暖まる・・・。

2007年2月27日 (火)

関金温泉・温清楼

【2007年1月】

三朝温泉とラジウム含有量において双璧と言われる関金温泉。ここも1250年の歴史を誇る古湯。湯のきれいさから銀湯、白金の湯の別称を持つ。山際に寄り添うように家並みが集まり、温泉はその町の中心部、送川という小川に沿って湯が湧く。古くは作州街道の宿場町として栄えた。

Photo_47 温清楼(清の字、本当はサンズイでなくニスイらしい)は、当時上の茶屋と呼ばれるお茶屋さんだった。その後旅籠~旅館と形を変え続いている歴史ある宿。

玄関を入ると、目の前に片づけているとは言えない荷物(ゴミ?)の山。お客様を迎えるロビーがこの状態って・・・こりゃハズレかな?まあ、私は湯さえ良ければいい人なので気を取り直して声をかける。

「こんにちは-。お風呂よろしいですかあ」(⌒▽⌒)

「いらっしゃいませ。そうやねえ・・・この時間なら他にいらっしゃらないのでいいですよ。」

Photo_48Photo_49 フロントで800円を払い、ギシギシという廊下を通って案内してもらう。そこには、庭の中に杉の皮で葺いた屋根の下に露天風呂。湯船は1.7m四方の湯船がふたつ。奥の湯船に源泉が汲み上げられ蕩々と流し込まれている。湯船は底でつながっており、手前の湯船に湯が回ってくる仕組み。なんの仕切りもない完全な混浴。脱衣場には4つの篭があるが、ここも目隠しがなく、他の人がいるときは、脱ぐのに相当の勇気が必要。なるほど、「他にいらっしゃらないのでいいですよ。」と言うはず。貸し切り状態で使うのを前提にしていらっしゃるのか。

Photo_50 湯に浸かってみる。まずは上の湯から。温度はやや熱め。といっても、41~42℃くらいか。竹筒から湯がどばどば流れ込んでいる。飲泉も可能な新鮮湯。成分は少なく、単純放射能泉。鮮度が良いので、湯口ではかすかな鉱物臭があるが、一般的には無味無臭の透明な湯と言える。とにかくきれいな湯。湯船の底は簀の子で肌触りも良い。まわりのお庭、歩くとギシギシいう木造の建物も外観は雰囲気に合っている。続いて下の湯に。こちらはややぬるめ。40℃弱か。長湯ができそう。まったり浸かっていてとっても心地よい。 ( ̄ー ̄) 結局小1時間ゆっくりと過ごした。

「ありがとう。新鮮な湯を堪能させていただきました。」(⌒ー⌒)

「ここは、湯だけはいいんだけどね。20mほど掘って汲み上げているんやけど、昔は56℃もあったんよ。それが、他がボーリングしたりするうち温度が下がって今は45℃。湯量が少ないのが関金の泣き所なんよ。」

なるほど、三朝温泉と比べ、それほど関金温泉が発展しなかったのは湯量に原因があったのか。温泉が伏流水だとすれば、三朝の三徳川に比べ、ここの送川はいかにも小さい。そう思えば、ここに最近できた施設が軒並み循環方式ばかりなのも納得できる。その中で、温清楼のように小さいながらも源泉掛け流しを守っている宿は貴重。ぜひとも末永く湯宿を続けて欲しいものだ。

そのためにも・・・ロビー、片付けませんか?(^^;

2007年2月12日 (月)

三朝温泉・旅館大橋

【2004年2月】

「トトロさん、源泉掛け流しがお好きでしたよね。久しぶりにうちの風呂に入りに来なさいよ。」 

旅館大橋のNさんと電話で話した数日後、今度は同僚から電話。

「今度の日曜に、鳥取へ現地視察を兼ねてプライベートで行きたいんだが、雪道のひとり旅は気が進まない。鳥取で行ってみたい温泉はないのか?1~2軒なら付き合うから一緒に行かないか?」

これは、神のお告げに違いない(^^)♪ と、仕事も兼ねて同僚とふたりで久しぶりの三朝を訪ねることにした。

中国道から米子道へ。湯原ICで高速道を下りて右折、国道313号線に。湯原温泉の入口をやり過ごし、さらに5kmほど蒜山方面に進むと、国道482号線との分岐。ここを右折して国道482号線を約10kmの峠越え。国道179号線に突き当たると、左(道路構造的には直進)の倉吉、三朝方面へ。10km強走り、今泉の交差点を右折、最初の信号を左折、三徳川を渡って突き当たりを右折で三朝温泉に到着。これが、広島~三朝の最短ルート。湯原IC~三朝温泉は約50分。

この日は道中ずっと雪が舞い、途中の峠では路面は積雪で真っ白だったが、4輪駆動+スタッドレスのおかげで時間もほぼ予定通り到着。こんな日は、雪道に自信がない人(クルマ)は、蒜山IC~国道313号線~犬挟峠~倉吉~三朝のルートの方が無難かも。

三朝温泉街に入ってすぐの道路右側に、道に沿って100m以上も続く大きな木造三階建の旅館が見えてくる。これが旅館大橋。昭和7年築の堂々たる日本建築は平成14年国の有形文化財指定を受けている。

「ここ、千と千尋の神隠しの湯屋って感じだよね。」 と同僚。なるほど言い得て妙。

「いらっしゃい。雪の中大変だったでしょう。さっそくお風呂で暖まってください。この時間は天然岩窟の湯が男性になっていますから。」(^o^) と、Nさん。ちなみに、女性の方はふくべの湯という足下湧出ではないが、源泉掛け流しの湯に、露天風呂。時間帯で入れ替わるので、宿泊すればすべての風呂に入ることができる。

日帰りの入浴料は大人1000円、小人500円。脱衣場から浴室には階段を下りる。天然岩窟の湯は、河原に自噴する源泉をそのまま囲って風呂にしたもの。浴室内には3カ所の自噴泉があり、それぞれを上の湯、中の湯、下の湯という名の湯船にしている。

湯船は三徳川の川原石を組み合わせて積み上げた造作。最近多い、見た目だけの岩風呂ではなく、本当に岩でできた風呂。故に、湯船の中も足場は非常に悪い。段差もあり、深いところは1m以上。そのせいで、広さの割には大人数は入れず、ひとつの湯船に1~3人が適当。

まずは下の湯に浸かる。湯は、気泡とともに足下から湧いている。鮮度はこれ以上ない最高の湯。湯温は40℃強とやや熱め。湯に浸かっていると静けさの中に時々「ポコッ」という音が聞こえてくる。地中に閉じこめられていた温泉が初めて空気に触れる瞬間の音は、まさに温泉の産声。( ̄ー ̄)マッタリ

放射能泉の効能は、初めて空気に触れた瞬間、ラジウム、トロンなど放射性元素が気化する。それを吸引することにより免疫力等が高まる、というのが定説。ということは、ここの湯のような足下湧出において放射能泉は最大効果を得ることができるという事になる。ここの3つの源泉のうち、中の湯、下の湯はラジウム泉、上の湯はトリウム泉と書かれている。トリウム泉は、全国でも珍しいそうだ。ともかく、この浴場は放射性ガスで充満しているに違いない。多分に付け焼き刃的発想だが、同僚とふたりで深呼吸を繰り返してみる。スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)

天然岩窟の湯、ここの良さは、効能もさることながら、大地の恵み、自噴する極新鮮湯を、肌と耳で感じながら浸かれることにあると思う。

「いやあ、久しぶりにいい湯に入らせていただきました。」(⌒▽⌒)

「どういたしまして。じっくり館内をご覧になられたことはなかったですよね?ご案内しましょう。」

客室は30室。全長100mを超える巨大木造建造物にあってこの客室数は少ない。ゆったりとした造りを物語る。同じ造りの部屋はひとつもなく、使用する木材によって、南天の間、桐の間というふうに命名されている。リニューアルする際にも、基本的に部屋の造りは変えない。川に面する窓は、サッシではなく木枠に昔ながらの手作りガラス。外の景色がやや歪んで見える。

「改修も馬鹿にならないんですよ。良い材木は高くなるし、昔ながらのガラスは作るところも少なくなって。」

それでも拘るのは、部屋指定で泊まりに来るリピーターが多いから。それ故に、数十年ぶりに訪れたお客様が、昔泊まった部屋がそのままあることに驚かれることも多いそうだ。

今回は食事はしていないが、千久馬料理長は厚生労働省「現代の名工」も受賞した山陰料理界のドン。以前泊まったときに食したひらめの石焼きやアワビのステーキは絶品だった。

極上の湯、歴史の重みとノスタルジーを感じさせる館内、そして美味しい料理。すべてが高いレベルでバランスが取れており、夫婦、カップルでしっぽりと泊まるには最高の宿。

 ※この時は写真を撮っていません。イメージは、旅館大橋のホームページをご参照ください。

2007年2月 4日 (日)

三朝温泉・株湯

【2005年2月】

鳥取県倉吉市から天神川の支流、三徳川沿いに7km、クルマで15分ほど上ったところ、徐々に迫る山間と川に挟まれるように大小20軒あまりの旅館が見えてくる。これが三朝温泉。ラジウム含有量世界一と言われる、放射能単純泉の代表である。

ここの温泉は、三徳川の伏流水。川の数m下を40~60℃の温泉がほぼ平行して流れている。だから少し掘るだけで温泉が湧く。山陰の雪深い土地でありながら、この地熱のおかげで昔から「三朝には雪が積もらない」という定説があるほど。この日は、鳥取から広島まで雪道のドライブ。途中三朝温泉に立ち寄ったが、確かに三朝の温泉街には雪がなかった。

温泉街の東の外れ、住宅地の中に株湯という小さな共同浴場がある。三朝温泉発祥の地と言われている風呂。三朝には仕事で何度も訪れているが、なかなか時間がとれず入りそびれていた。株湯の隣の駐車場にクルマを停める。

0502外観は住宅街の中に埋もれるほどの小さな建物。中も狭い。靴を脱いで200円を払い、カーテンをめくると脱衣場。大柄な私が着替えていると他の人が遠慮するほどの狭さ。そそくさと脱いで(こーいう時、作務衣はすぐ脱げるので便利!^o^)浴室に向かう。

浴槽は、3人がいっぱいくらいの小さなもの。非常に古びてはいるが、かすかに檜の香りがする。私は岩風呂も好きだが、この檜の香りも大好き。(⌒ー⌒) ニヤリ

早速湯船に向かう。

「アチッ!」

Photo_36 足を浸けると、飛び上がるほどの熱さ。温度はなんと46℃!先に入っている初老の男性がニヤリと笑った(ような気がした)。 仕切り直して体を洗い、心の準備をしてから改めて湯船にトライ。先ほどまでいた男性があがり、誰もいない湯船にそっと浸かる。今度は何とか我慢ができる。最初熱かったのは雪の中、足先が冷えていたせいかもしれない。しかし、とても長時間入れるものではなく、2分くらい浸かっては上がり、また浸かるのを数回繰り返した。

おじいさんが入ってこられる。地元の方らしい。

「ここは、なんで株湯って言うんですか?」

「昔、切り株の根本から湯が湧いていたらしい。」

「それにしても熱いですねえ。」

「三朝の湯は熱いんじゃ。これでも湯元からパイプで引き回して醒ましながら引き込んでおる。途中空気に触れることなく湯船まで持ってきておるからここの湯は価値があるんじゃ。ラドンガスが逃げずにこの部屋に充満するからの。三朝の湯は息を吸ってなんぼじゃ。」

ご丁寧にホルミシス効果の説明までいただいた。三朝温泉のラジウム療法は、気化したラドンガスを吸引することにより、人間が本来持っている治癒力を高めると聞く。そのためには足下湧出の湯船か、ここのように源泉を空気に触れさせず湯船まで運んだものでないといけないらしい。もっとも、まだ元気な私は、目に見えないホルシミス効果なるものにはあまり興味がない。地元の方や、長期滞在する方には効果があるのだろうが、おそらく私のような、たまに来て1~2日で帰って行く者にさほどの効果はないと思うので。 それよりは、体感できる湯の鮮度に注目。無色透明、無味無臭、特筆すべき肌触りもない三朝の湯であるが、ここの湯はもったいないほどの贅沢な掛け流しのためか、最高に新鮮な湯。その点には大満足して帰路に着いた。

※次回は、三朝の足下湧出の温泉を紹介します。

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