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2008年3月

2008年3月20日 (木)

郷緑温泉・郷緑館

【2007年11月】

湯原温泉郷は適温、良質のアルカリ単純泉が自噴する私のお気に入りエリアのひとつ。これまでも湯原温泉砂湯下湯原温泉真賀温泉など紹介してきたが、泉質にこだわる人にはもうひとつ超おすすめの温泉がある。それが郷緑温泉

Gourokusign1_2 Gourokusign2_2 湯原ICを降りて料金所を出ると突き当たりがT字路。左に行くと真賀温泉、勝山方面。右に行くと湯原温泉、蒜山方面。郷緑温泉は、右に進み500m先を川に沿って左折。さらに約1km進むと郷緑温泉という縦長のサインが見えてくる。そこから左側川向こうを見ると古くて大きな古民家が見える。それが郷緑温泉。橋を左折して到着。

Gourokuzenkei Gourokugenkan 近くで見ると城を思わせるような石垣が印象的。石段を登っていくと、玄関がある。蕎麦屋の入口のような(^^;暖簾がかかっている。

「ごめんくださーい。」

奥から、おばあちゃんが出てこられた。

「お風呂入らせていただけますか?」

「いま、ご夫婦が入とられるけど、あと5分くらいで出られますけ、待ったらええ。」

ここの風呂は、ひとつしかない。だから、1組づつしか入れず、原則貸切風呂状態になる。たまに、同性のお客様で、お互いがいいよと言えば、一緒に入る事もある。

入浴料500円を払い、応接椅子で待つ。

壁には芸能人が宿泊に来たり、取材に来た写真がずらりと並んでいる。秘湯ブームで有名になった温泉。特に関西からのお客様が多いとのこと。湯原ICから2kmで秘湯ムードに浸れるのも人気の理由だろう。

ほどなくお風呂が空き、さっそく入らせていただいた。

Gourokuyubunezenkei 浴槽は、ふたつあって、手前が小さく、奥が大きい。どちらも御影石で作られた綺麗な風呂。まずは体を洗った後、湯舟に向かう。ここの風呂は、必ず奥の大きな風呂から入るのが常道である。

Gourokuhikanetsusou 大きな浴槽は、足下湧出の源泉掛け流し足下は平らではなく、自然の岩盤。大きな亀裂から渾々と湯が湧いてくる。真賀温泉の幕湯や奥津温泉の奥津荘鍵湯、東和楼などと同様、自然湧出の大地の恵み。足場の良いところを確認してゆっくり浸かる。湯は無色透明のアルカリ単純泉。透明度が非常に高く、足元の青緑色の岩盤がきれいに透けて見える。

Gourokuseibunbunseki ph9.1というアルカリ泉なので湯の感触はつるつるすべすべ泉温は34℃のぬるい湯なので、のぼせることはない。静かに浸かっていると、湯がぬるぬると肌を滑って流れていく。時々、ポコっと気泡が湧き出てくる。肌にも僅かだが気泡が付着する。足下湧出ならではの、湯の鮮度を物語る。ビールに例えれば、気が抜けていない証拠である。あふれる湯は、浴槽をオーバーフローしてせせらぎとなり、排水溝に消えていく。湧出量も相当なものだ。ダイナミックに岩盤から湧き出す湯、泉質、鮮度と温泉好きにとってはたまらなく魅力的な湯である。

Gourokukanetsusouyuguchi となりの小さな浴槽は41℃の加熱浴槽。こちらは足下湧出ではなく、底は平ら。寒い時期にはここで体を温めてから上がる。以前紹介した島根県の千原温泉と同じ考え方。私は元来ぬる湯好きなのと、ここの湯は34℃の割には、何故か湯上がりのポカポカ感を感じるのでこの日(11月)は入らなかった。真冬だと、さすがに入ります。

ここの風呂は日帰りだと30分の時間制限がある。事実上貸切湯なので多くの人に入ってもらうためには仕方ないが、極上の湯だけに、後ろ髪を引かれるように上がらなければならない。ここの湯を楽しむためには、宿泊すべきだと思う。

風呂上がりに、ご主人、奥様としばしお話しする。

建物は相当古く、築150年。手直ししながら何とか維持しているとの事。ご年配のご夫婦ふたりで全てを切り盛りしている。だから、宿泊客は1日7室15人が限度だそうだ。

夕食は、スッポンのフルコースが定番。鮮度の高い温泉を利用してスッポンを養殖している。男性には精力剤、女性にはコラーゲンたっぷりの魅力的な食材。

「今年は木の実が豊作。イノシシもよう肥えとるじゃろ。」とご主人。

11月中旬からご主人はイノシシ狩りに出かけるそうだ。獲ったイノシシは冬場に向けてボタン鍋の食材となる。宿泊代はひとり1万円程度とのこと。

至福の温泉と、素朴なもてなし。ここは、「癒し」の空間だと思う。

ご夫婦がいつまでもお元気で、この貴重な温泉宿を維持していただきたいものだ。

  郷緑館

  住所 岡山県真庭市本庄712 

  電話 0867-62-2261

  地図 ここをクリック

  ■日帰り入浴について

   入浴料 大人500円 小人300円  

   入浴時間 10:00~16:00    

2008年3月17日 (月)

男の料理 フルーツのガスパッチョ

「男って、本当は女より美味しい料理が作れるの?」

娘が尋ねてきた。

「誰が言っていたの?」

「おかあさん。嘘だと思ったらお父さんに聞いてみなさいって。」

なるほど・・・。たぶん、料理を作るのが面倒なのか、メニューのアイデアが浮かばないのだろう。こんな時でも直接言ってこないのが妻の性格。

「男の料理が美味しいかどうか、作ってみようか。」

「・・・・お父さん、作れるの?」

「おかずを何種類もは作れないよ。デザートっぽいヤツを1品だけ作ってみよう。やってみなきゃわかんないけどね。」

という訳で、数年ぶりに包丁を持つことになった。メニューは、フルーツのガスパッチョ。

【フルーツのガスパッチョ】 

■材料 (8人分)

Photo八朔(はっさく) 12個
オレンジ      8個
キーウィ      2個
イチゴ       8個
バナナ       1本
ミントの葉     数枚
アイスクリーム  ホームサイズ

ガスパッチョとは、スペイン、アンダルシア地方の料理で、本来はトマトの冷製スープ。以前、テレビの料理番組で、トマトの代わりにグレープフルーツを使ってデザート風に作るガスパッチョをやっていたのを何となく覚えていて、今、我が家には頂き物の八朔・オレンジがたくさんあるので、これに挑戦してみようと思った。

■作り方

1.八朔、オレンジを、包丁でリンゴの皮のように、外側からグルグルと回しながら剥く。中の袋の皮も一緒に剥く。白い表皮は苦みが出るので残さないように。

2.鍋を用意する。皮を剥いた八朔・オレンジの袋の皮に沿って包丁を入れ、果実だけを鍋に落としていく。身を全部落としたら、皮を絞って果汁を鍋に落とす。

Photo_2 3.果実、果汁の入った鍋を火にかけ、果実が自然にバラバラになるまで煮る。加水はせず、火力調節で焦げ付き防止。かき混ぜは最小限で。今回は15~20分くらいかかった。

Photo_3 4.果実がバラバラになったら、ステンレスボールに移し、氷水につけて冷ます。

5.冷めたら、皿に取り分けて、真ん中にアイスクリームを乗せて、周囲にイチゴ、キーウィ、バナナ、刻んだミントを適当に盛りつける。

アイスクリームで全体の甘さを調節している。アイス無しだと、煮るときに砂糖を入れる方がよいだろう。

Photo_4 Photo_5 私が台所に立っているのが相当珍しかったようで(数年ぶりなので無理もない?)、子供達が集まってきた。盛りつけは子供達がやってくれた。美的センスは・・・まあ、写真の通り。美味しそうとは言えないなァ。多分父親譲りでしょう。(^^;

「男の料理っておいしい?」

「・・・ビミョー。でも、また作ってね。」と、子供達。

たまには、料理も楽しいものだ。

2008年3月 2日 (日)

一の俣温泉・温泉荘

【2007年12月】

山口県西部はアルカリ単純泉の宝庫。つるつるすべすべの美人湯は女性には特に人気がある。

その中で、泉質という点で私が一番好きな湯は、一の俣温泉。

中国道美祢ICからR435を特牛(こっとい)方面に進むのは俵山温泉と一緒。俵山は豊田町楢原から右折するが、一の俣へは直進、豊田町荒木からR491に右折して約2km走ったところに一の俣温泉がある。

のどかな田園に、なだらかな山が迫る風景。その中に数軒の宿が点在している。源泉は各施設毎にはなく、温泉全体で数本あるが、現在は1本しか汲み上げていないそうだ。それを各施設に配湯している。したがって泉質はどこも同じ。源泉の温度は29℃なので加熱はしている。しかし、加水するかしないか、掛け流すか循環させるかは施設により異なる。

一の俣温泉にある一の俣観光ホテル、一の俣グランドホテル、グランドホテル別館、温泉荘は、同一経営者。この中で、源泉を純粋に楽しむなら、おすすめは温泉荘。かつてはもうひとつ保養所という小学校を改造したジャングル風呂を持つ施設があり、源泉掛け流しを堪能できたが、台風で壊れて以来営業をやめている。

Photo温泉荘は、観光ホテル、グランドホテルを通り過ぎた先にある、外見は古い平屋の建物。フロントで入浴料600円を支払う。回廊式の廊下を進んでお風呂へ。脱衣場から浴室にはいると、一段低く、周りをスレートで囲まれた空間。屋外に湯船があり、そこを囲ったようだ。

湯船は、10人以上ゆっくり入れる大きな浴槽と、定員1名の小さな浴槽の二つ。身体を洗った後、誰もいない大きな浴槽に浸かる。

Photo_3Photo_2「おお、相変わらずスゴイ。」

思わず声が出る。とにかく、つるつる感が尋常でないのだ。平成8年の成分分析表によると、phはなんと9.93!微かに硫黄臭(硫化水素臭?)も確認できる。源泉を40℃まで加熱して底から潤沢に送り込み掛け流している。湯量の多さは、写真の波の立ち方で想像いただけると思う。湯の鮮度も十分感じられる。

Photo_4しばらく熱い湯で身体を温めた後、小さな浴槽に移る。こちらは、非加熱の源泉掛け流しである。これもマニアにとっては垂涎の湯。熱くなった身体をさます効果と相俟って、ふたつの湯船を永遠に往復し続けるという無限地獄に誘うキケンな湯である。

「こんばんは。」60歳代と思われる男性が一人入って来られた。

「こんばんは」(⌒▽⌒)

「今日はお泊まりですか?」

「いえ、広島まで帰ります。」

「それは大変ですね。私は夫婦で泊まります。北九州なんですが、年に4回は来るんですよ。ここの湯に入ると他では物足りなくて。」

確かに、私も同感。アルカリ性の温泉を肌で感じるには、ここは西日本有数、いや、全国有数だろう。ひとしきり世間話をした後、先に上がらせていただいた。

帰路クルマを走らせながら考えた。今日お会いしたような、ご年配の世代には一の俣温泉の泉質はそれなりに知れ渡っていて、一定のファンが存在するが、若い世代にどのくらい知られているのか、これからアピールできるのか・・・。

素晴らしい湯だけに気になるところである。

【余談】

なお、一の俣温泉に宿泊する場合、温泉マニアでない方にとっては設備等の面から、一の俣観光ホテル、一の俣グランドホテルをお勧めします。

温泉荘には、入浴だけ伺うのもひとつの方法かと思います。

  温泉荘 TEL:08376-8-0231

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フォト

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