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2007年2月

2007年2月27日 (火)

関金温泉・温清楼

【2007年1月】

三朝温泉とラジウム含有量において双璧と言われる関金温泉。ここも1250年の歴史を誇る古湯。湯のきれいさから銀湯、白金の湯の別称を持つ。山際に寄り添うように家並みが集まり、温泉はその町の中心部、送川という小川に沿って湯が湧く。古くは作州街道の宿場町として栄えた。

Photo_47 温清楼(清の字、本当はサンズイでなくニスイらしい)は、当時上の茶屋と呼ばれるお茶屋さんだった。その後旅籠~旅館と形を変え続いている歴史ある宿。

玄関を入ると、目の前に片づけているとは言えない荷物(ゴミ?)の山。お客様を迎えるロビーがこの状態って・・・こりゃハズレかな?まあ、私は湯さえ良ければいい人なので気を取り直して声をかける。

「こんにちは-。お風呂よろしいですかあ」(⌒▽⌒)

「いらっしゃいませ。そうやねえ・・・この時間なら他にいらっしゃらないのでいいですよ。」

Photo_48Photo_49 フロントで800円を払い、ギシギシという廊下を通って案内してもらう。そこには、庭の中に杉の皮で葺いた屋根の下に露天風呂。湯船は1.7m四方の湯船がふたつ。奥の湯船に源泉が汲み上げられ蕩々と流し込まれている。湯船は底でつながっており、手前の湯船に湯が回ってくる仕組み。なんの仕切りもない完全な混浴。脱衣場には4つの篭があるが、ここも目隠しがなく、他の人がいるときは、脱ぐのに相当の勇気が必要。なるほど、「他にいらっしゃらないのでいいですよ。」と言うはず。貸し切り状態で使うのを前提にしていらっしゃるのか。

Photo_50 湯に浸かってみる。まずは上の湯から。温度はやや熱め。といっても、41~42℃くらいか。竹筒から湯がどばどば流れ込んでいる。飲泉も可能な新鮮湯。成分は少なく、単純放射能泉。鮮度が良いので、湯口ではかすかな鉱物臭があるが、一般的には無味無臭の透明な湯と言える。とにかくきれいな湯。湯船の底は簀の子で肌触りも良い。まわりのお庭、歩くとギシギシいう木造の建物も外観は雰囲気に合っている。続いて下の湯に。こちらはややぬるめ。40℃弱か。長湯ができそう。まったり浸かっていてとっても心地よい。 ( ̄ー ̄) 結局小1時間ゆっくりと過ごした。

「ありがとう。新鮮な湯を堪能させていただきました。」(⌒ー⌒)

「ここは、湯だけはいいんだけどね。20mほど掘って汲み上げているんやけど、昔は56℃もあったんよ。それが、他がボーリングしたりするうち温度が下がって今は45℃。湯量が少ないのが関金の泣き所なんよ。」

なるほど、三朝温泉と比べ、それほど関金温泉が発展しなかったのは湯量に原因があったのか。温泉が伏流水だとすれば、三朝の三徳川に比べ、ここの送川はいかにも小さい。そう思えば、ここに最近できた施設が軒並み循環方式ばかりなのも納得できる。その中で、温清楼のように小さいながらも源泉掛け流しを守っている宿は貴重。ぜひとも末永く湯宿を続けて欲しいものだ。

そのためにも・・・ロビー、片付けませんか?(^^;

2007年2月22日 (木)

酒がテーマの京都旅行

温泉から逸脱した話題ですが・・・

半年前、とあるBARのマスターとの会話 

「トトロさん、酒の好きなメンバーで、酒をテーマにした京都旅行を企画したい。祇園で舞妓宴会とかできない?」

「舞妓がお酌してくれればいいの? それとも本格的なお座敷遊び?」

「酒に関しては妥協のないメンバーだから本格的なやつがいい。舞妓に芸妓、できれば太鼓持ちも欲しい。お座敷遊びも酒文化のひとつでしょ?」

「おもしろい!お手伝いさせてよ。」(^O^) 

企画、立案、メンバー募集と、とんとん拍子に話は進み、今週はじめ総勢11人で出発。私もちゃっかりメンバーに入れてもらって行ってきました。(^^)♪

 **** **** **** **** ****

Photo_38酒に特化したツアーだけあって、中身は超濃厚。昼食はドイツ料理に、日本ではここでしか飲めないというドイツ・ビュルツブルクの生ビールやワイン。これが芳醇でうまい!みんな1杯ごとに種類を変えて数杯ずつ飲む。

次に訪ねたのは日本三大醸造地・伏見の酒蔵。タンクから汲み出した酒をそのまま頂く。 「辛い!」 炭酸ガスが強烈。これが、20分くらい置いて飲むと炭酸が抜けほんのり甘い。味の変化がおもしろい。

Photo_39  日が落ちてあたりが薄暗くなる頃、いよいよ祇園の街に繰り出す。某料亭に到着。

「トトロさん、お久しぶり。」 と女将。ツアーの企画をしていた頃、京都の知人の紹介で初めて訪れたのが12年前。以来、幾度となくお世話になっている。宴席に呼んだのは舞妓と芸妓ひとりづつ。乾杯こそビールだが、祇園の料亭で京懐石に舞妓、芸妓ときては、今回の酒マニア軍Photo_40団、ほぼ全員日本酒にチェンジ。お酌を楽しむ。さすがに彼女たち、注ぎ方が絶妙。色香漂う仕草、そして勧めるタイミング。いくらでも飲める。座もこなれてきた頃、太鼓持ち登場。舞妓、芸妓のおどり、そして笑いを取りながら祇園のお座敷遊びを御指南。考えてみれば、接待や商談でなく、純粋に仲間で楽しく祇園でお座敷遊びなんて、けっこう贅沢な事かもしれない。飲んで遊んでの2時間半。終わったときは、50本ものお銚子の山・・・。(@@;)

Photo_41これだけ飲んだらさすがにこのメンバーでも・・・と思ったが、実はこれからが本番、京都BARめぐり。マスター謹製の京都BARマップを手にみんな1人2人と夜のとばりに消えていく。ふだんBARに集まる客だから当たり前といえばそうなんだが・・・。ちなみに、一番多く回ったのはマスターでなんと8軒!私はひとりで何度か行ったことのあるBARに2軒だけ。それでもしっかり午前様。その間メンバーがひょっこり入ってきたり出たりで5人と遭遇。それにしてもみんな元気!(^◇^;)

翌日は、サントリー山崎蒸溜所。ここは、一般の観光客と一緒に工場見学。ガイド役の女の子が歩きながらメンバーのひとりに尋ねる。

「サントリーではどの銘柄が好きですか?」

「・・・・・・・」 (この人は確かスコッチ派。ハイランドのCLYNELISHなんかいいですね、とは言えないよなあ。^^;)

「・・・サントリーはお嫌いですか?」 (少し悲しそうな目)

「そんなことないですよ。・・・響17年50.5度かな?」 (; ̄ー ̄A アセアセ (社交辞令)

「あれ、おいしいですよね!」 (とっても嬉しそう)

事情をわかって見てると、楽しいやりとり。

Photo_42見学の後は無料試飲。「山崎12年」と「白州12年」の水割りが1人1杯用意されお代わりは自由。このグループはストレートで両方をもらい、飲み比べている。圧巻は有料試飲コーナー。ここはスコッチはじめ50種類ものウィスキーが用意されている。他のお客様は素通りする人が多い中、ここのメンバーはみんなで違う銘柄を数杯づつ買ってテーブルに並べテイスティング会議。みんな目が真剣。会場の中、この一角だけがオーラに包まれている。飲み終わって周囲を見ると、このグループ以外は誰もいなかった。

 **** **** **** **** ****

相当マニアックなグループ旅行だったが、みんなとっても楽しそうだった。趣味嗜好を同じくするメンバーが、それに特化したツアーで集まっているので当然かも。ただ、改めて感じたのは、マニアックな行動って、周囲から見ているとかなり奇異に見えるものだということ・・・。

私が温泉を歩いている姿も、一般の入浴客から見たら案外奇異に見えるのだろうか。今度から、温泉で湯口に近づき、アロマを嗅いだり、口に含んで成分を確認したりする時は、多少は人目を気にすることにしよう。(^^;

東寺の紅梅が京に春の到来を告げていました。

Photo_37

 

 

 

【追記】

この企画をしたBAR、どこですかという問い合わせをいただきました。

お店に確認したところ、旅行が本業ではないので、名前は伏せていてくださいとのこと。どうしても知りたい方は、ご自身でご確認ください。

参考:東広島のBAR

ポアラー ℡082-424-1999
バカナリヤ・バー ℡082-422-6256
Bar 蔵人 ℡082-424-3733
ティマーブ ℡082-422-9796
大島大 ℡082-423-0755

※本ブログに記事のあるものは名前にリンク貼ってあります。
※私が行ったことのあるBARのみ記載しています。

2007年2月12日 (月)

三朝温泉・旅館大橋

【2004年2月】

「トトロさん、源泉掛け流しがお好きでしたよね。久しぶりにうちの風呂に入りに来なさいよ。」 

旅館大橋のNさんと電話で話した数日後、今度は同僚から電話。

「今度の日曜に、鳥取へ現地視察を兼ねてプライベートで行きたいんだが、雪道のひとり旅は気が進まない。鳥取で行ってみたい温泉はないのか?1~2軒なら付き合うから一緒に行かないか?」

これは、神のお告げに違いない(^^)♪ と、仕事も兼ねて同僚とふたりで久しぶりの三朝を訪ねることにした。

中国道から米子道へ。湯原ICで高速道を下りて右折、国道313号線に。湯原温泉の入口をやり過ごし、さらに5kmほど蒜山方面に進むと、国道482号線との分岐。ここを右折して国道482号線を約10kmの峠越え。国道179号線に突き当たると、左(道路構造的には直進)の倉吉、三朝方面へ。10km強走り、今泉の交差点を右折、最初の信号を左折、三徳川を渡って突き当たりを右折で三朝温泉に到着。これが、広島~三朝の最短ルート。湯原IC~三朝温泉は約50分。

この日は道中ずっと雪が舞い、途中の峠では路面は積雪で真っ白だったが、4輪駆動+スタッドレスのおかげで時間もほぼ予定通り到着。こんな日は、雪道に自信がない人(クルマ)は、蒜山IC~国道313号線~犬挟峠~倉吉~三朝のルートの方が無難かも。

三朝温泉街に入ってすぐの道路右側に、道に沿って100m以上も続く大きな木造三階建の旅館が見えてくる。これが旅館大橋。昭和7年築の堂々たる日本建築は平成14年国の有形文化財指定を受けている。

「ここ、千と千尋の神隠しの湯屋って感じだよね。」 と同僚。なるほど言い得て妙。

「いらっしゃい。雪の中大変だったでしょう。さっそくお風呂で暖まってください。この時間は天然岩窟の湯が男性になっていますから。」(^o^) と、Nさん。ちなみに、女性の方はふくべの湯という足下湧出ではないが、源泉掛け流しの湯に、露天風呂。時間帯で入れ替わるので、宿泊すればすべての風呂に入ることができる。

日帰りの入浴料は大人1000円、小人500円。脱衣場から浴室には階段を下りる。天然岩窟の湯は、河原に自噴する源泉をそのまま囲って風呂にしたもの。浴室内には3カ所の自噴泉があり、それぞれを上の湯、中の湯、下の湯という名の湯船にしている。

湯船は三徳川の川原石を組み合わせて積み上げた造作。最近多い、見た目だけの岩風呂ではなく、本当に岩でできた風呂。故に、湯船の中も足場は非常に悪い。段差もあり、深いところは1m以上。そのせいで、広さの割には大人数は入れず、ひとつの湯船に1~3人が適当。

まずは下の湯に浸かる。湯は、気泡とともに足下から湧いている。鮮度はこれ以上ない最高の湯。湯温は40℃強とやや熱め。湯に浸かっていると静けさの中に時々「ポコッ」という音が聞こえてくる。地中に閉じこめられていた温泉が初めて空気に触れる瞬間の音は、まさに温泉の産声。( ̄ー ̄)マッタリ

放射能泉の効能は、初めて空気に触れた瞬間、ラジウム、トロンなど放射性元素が気化する。それを吸引することにより免疫力等が高まる、というのが定説。ということは、ここの湯のような足下湧出において放射能泉は最大効果を得ることができるという事になる。ここの3つの源泉のうち、中の湯、下の湯はラジウム泉、上の湯はトリウム泉と書かれている。トリウム泉は、全国でも珍しいそうだ。ともかく、この浴場は放射性ガスで充満しているに違いない。多分に付け焼き刃的発想だが、同僚とふたりで深呼吸を繰り返してみる。スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)

天然岩窟の湯、ここの良さは、効能もさることながら、大地の恵み、自噴する極新鮮湯を、肌と耳で感じながら浸かれることにあると思う。

「いやあ、久しぶりにいい湯に入らせていただきました。」(⌒▽⌒)

「どういたしまして。じっくり館内をご覧になられたことはなかったですよね?ご案内しましょう。」

客室は30室。全長100mを超える巨大木造建造物にあってこの客室数は少ない。ゆったりとした造りを物語る。同じ造りの部屋はひとつもなく、使用する木材によって、南天の間、桐の間というふうに命名されている。リニューアルする際にも、基本的に部屋の造りは変えない。川に面する窓は、サッシではなく木枠に昔ながらの手作りガラス。外の景色がやや歪んで見える。

「改修も馬鹿にならないんですよ。良い材木は高くなるし、昔ながらのガラスは作るところも少なくなって。」

それでも拘るのは、部屋指定で泊まりに来るリピーターが多いから。それ故に、数十年ぶりに訪れたお客様が、昔泊まった部屋がそのままあることに驚かれることも多いそうだ。

今回は食事はしていないが、千久馬料理長は厚生労働省「現代の名工」も受賞した山陰料理界のドン。以前泊まったときに食したひらめの石焼きやアワビのステーキは絶品だった。

極上の湯、歴史の重みとノスタルジーを感じさせる館内、そして美味しい料理。すべてが高いレベルでバランスが取れており、夫婦、カップルでしっぽりと泊まるには最高の宿。

 ※この時は写真を撮っていません。イメージは、旅館大橋のホームページをご参照ください。

2007年2月 4日 (日)

三朝温泉・株湯

【2005年2月】

鳥取県倉吉市から天神川の支流、三徳川沿いに7km、クルマで15分ほど上ったところ、徐々に迫る山間と川に挟まれるように大小20軒あまりの旅館が見えてくる。これが三朝温泉。ラジウム含有量世界一と言われる、放射能単純泉の代表である。

ここの温泉は、三徳川の伏流水。川の数m下を40~60℃の温泉がほぼ平行して流れている。だから少し掘るだけで温泉が湧く。山陰の雪深い土地でありながら、この地熱のおかげで昔から「三朝には雪が積もらない」という定説があるほど。この日は、鳥取から広島まで雪道のドライブ。途中三朝温泉に立ち寄ったが、確かに三朝の温泉街には雪がなかった。

温泉街の東の外れ、住宅地の中に株湯という小さな共同浴場がある。三朝温泉発祥の地と言われている風呂。三朝には仕事で何度も訪れているが、なかなか時間がとれず入りそびれていた。株湯の隣の駐車場にクルマを停める。

0502外観は住宅街の中に埋もれるほどの小さな建物。中も狭い。靴を脱いで200円を払い、カーテンをめくると脱衣場。大柄な私が着替えていると他の人が遠慮するほどの狭さ。そそくさと脱いで(こーいう時、作務衣はすぐ脱げるので便利!^o^)浴室に向かう。

浴槽は、3人がいっぱいくらいの小さなもの。非常に古びてはいるが、かすかに檜の香りがする。私は岩風呂も好きだが、この檜の香りも大好き。(⌒ー⌒) ニヤリ

早速湯船に向かう。

「アチッ!」

Photo_36 足を浸けると、飛び上がるほどの熱さ。温度はなんと46℃!先に入っている初老の男性がニヤリと笑った(ような気がした)。 仕切り直して体を洗い、心の準備をしてから改めて湯船にトライ。先ほどまでいた男性があがり、誰もいない湯船にそっと浸かる。今度は何とか我慢ができる。最初熱かったのは雪の中、足先が冷えていたせいかもしれない。しかし、とても長時間入れるものではなく、2分くらい浸かっては上がり、また浸かるのを数回繰り返した。

おじいさんが入ってこられる。地元の方らしい。

「ここは、なんで株湯って言うんですか?」

「昔、切り株の根本から湯が湧いていたらしい。」

「それにしても熱いですねえ。」

「三朝の湯は熱いんじゃ。これでも湯元からパイプで引き回して醒ましながら引き込んでおる。途中空気に触れることなく湯船まで持ってきておるからここの湯は価値があるんじゃ。ラドンガスが逃げずにこの部屋に充満するからの。三朝の湯は息を吸ってなんぼじゃ。」

ご丁寧にホルミシス効果の説明までいただいた。三朝温泉のラジウム療法は、気化したラドンガスを吸引することにより、人間が本来持っている治癒力を高めると聞く。そのためには足下湧出の湯船か、ここのように源泉を空気に触れさせず湯船まで運んだものでないといけないらしい。もっとも、まだ元気な私は、目に見えないホルシミス効果なるものにはあまり興味がない。地元の方や、長期滞在する方には効果があるのだろうが、おそらく私のような、たまに来て1~2日で帰って行く者にさほどの効果はないと思うので。 それよりは、体感できる湯の鮮度に注目。無色透明、無味無臭、特筆すべき肌触りもない三朝の湯であるが、ここの湯はもったいないほどの贅沢な掛け流しのためか、最高に新鮮な湯。その点には大満足して帰路に着いた。

※次回は、三朝の足下湧出の温泉を紹介します。

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面白かった本

  • 渡辺京二: 逝きし世の面影 (★★★★★)
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